子どもがまだ幼稚園に行かないうちに、DVD教材やおけいこ事に行く子どもは身近にいるのではないでしょうか。いえ、我が子こそ、教材をやったり習い事を行っているという人は多いかもしれません。幼稚園に入れば、その数はまた増えます。多い子だと曜日ごとに違う習い事に行っており、友達と遊ぶ時間がない子もいるでしょう。

一昔ほどブームになっているわけではないのでしょうが、小さいうちから子どもに習い事をさせる人は実に多く、その理由も大抵は将来を見据えてとの言葉が出てきます。習い事をしていない親からすると、悪い事をしているわけではないのに、妙に子どもに対して罪悪感を感じる人もいるでしょう。

習い事、いわゆる早期教育というものは、本当に必要なのでしょうか。子どもの将来へどう関わるのか。習い事、早期教育をしている親からすれば、頭がよくて将来、優秀を絵にかいたような職業や大企業に勤められて経済的に安心と言うのがあるでしょう。スポーツ関連の習い事をしている場合は、スポーツで世界一になる、または賞金が沢山もらえるほどに強くなって、有名になったり沢山稼いだりしてもらいたい。そんな思惑があるでしょう。特に、世界で知られるほどに成績のいいスポーツ選手が幼い頃からそのスポーツをやっていたと知れば、期待する親は一気に増えます。

しかし、スポーツで有名になって沢山稼げるのはほんの一握りです。妙な期待を親が持って接すれば、それは子どもへのプレッシャーに、酷いとストレスになりかねません。もちろん、本人もそれを自ら望んでやっていればいいのですが。

勉強に関しても似たようなもので。子どもが好きで自分から率先して勉強していれば問題ないでしょう。しかし、親が子どもに多大な期待をして習わしているのならば、それはどうかと思います。

親が子どもを育てる上での最終目標とは何でしょう?いい会社に入ること?有名になってたくさん稼ぐこと?そうではないはずです。親が亡くなった(もちろん亡くならなくとも)後、1人で生きて行く力をつけることではないでしょうか?順番に考えれば、親が先に亡くなるのは当たり前なのだから、親が亡くなった後、生きていけなければ意味がありません。今の親は勉強などに力は入れるけど、その事を忘れたかのようにいつまででも子どもにべったりくっついている人が多い様に思います。

その子どもが一人前に立派に生きていく事に必要なのは、よい成績よりも自分の生き方をきちんと見つけられるか、それを実行するためにどうするのか、考える力だと思います。例え頭がよくても、回りと上手く協調性を持って生きていけなければ本人はかなり辛いはずです。回りと上手くやっていけなければ、この人は性格的に問題があるとレッテルを貼られる可能性もあります。

もし、お子さんが習い事を自ら希望しなければ、小さいうちはあえて習い事や勉強をする必要はありません。それよりも、沢山お友達と遊んで協調性を身につける方が余程いいでしょう。もし親が子どもに何かしら習わせたいと思ったのならば、成績が付けられたり競争をあおったりするようなものは止めましょう。友達同士で遊ぶようなサークル活動みたいなものに参加するのならばいいと思います。

小さいうちは、たくさん遊んで、たくさんの人達と接する機会を作るといいでしょう。そうして、子どもは生きる力を蓄えて行くのです。勉強では、生きる力はつけられません。