断乳ですが、これも意見がいろいろと別れるものの一つではないでしょうか。時代によって断乳の時期が変わっていると感じます。昔は、早めに断乳をした方がいいという意見が主流でした。検診でまだ断乳をしていることを言えなくて、ごまかしたなんて人もいたと思います。または、しっかりと断乳しなくては!と思って、泣く子をなんとか諫めて断乳した、なんて人もいるのでは?

そもそも、赤ちゃんに対する母乳の意味合いは一つではありません。赤ちゃんにとって、母乳は栄養源であるのは確かです。生まれてすぐには食事はとれません。母乳が赤ちゃんの栄養の全てでした。しかし、少しずつ大きくなって、母乳以外の飲み物を飲む様になる、離乳食が始まる頃に並行して、母乳の栄養分もなくなり、母乳は赤ちゃんに栄養を与えるものではなくなります。

しかし、栄養云々なんてわからない赤ちゃんからすれば、母乳は必要なものです。母乳を与えられる行為と言うのは、赤ちゃんにとって母親の愛情を感じられる時間でもあります。だからこそ、いつまででも母乳を求めます。例えば、断乳したとして、幼児期になっても子どもはお風呂に一緒に入った瞬間や、ちょっと寂しく感じた時間など、母乳を飲む仕草やおっぱいを触ったりすることがあります。これは、母親に愛情を求めている、愛情を確認していると誰でもわかる事ですよね。おっぱいは子どもの安定剤です。

ですので、栄養面以外の意味合いとして、無理に断乳する必要はないと最近は考えられるようになりました。一昔は回りに隠れるようにしておっぱいを上げていた母親も、多少なりとも気が楽になったのではないでしょうか。ただし、幼稚園に行くようになったり小学校に行っても・・・というのはさすがに考えものだと思います。

そうでなければ、暫くはおっぱいを与えても問題ないではないでしょうか。もちろん、栄養面の意味合いはないので、食事はきちんと取らないといけないでしょう。そ母乳は、場面を決めて与えるのも一つの手かもしれません。例えば、寝る時は・・・とか。ぜひ、いつまででもおっぱいを上げてる事に引け目を感じずに、親子の触れ合いとしておっぱいをあげてください。

逆に、いろいろな理由で断乳をしなくてはいけない人がいるのもまた事実です。仕事に復帰しなくてはいけない、乳腺炎になった、二人目ができた、など。その場合は話は変わってくるでしょう。

その時も、できれば子どもにきちんと理解させてやめるのが親子関係が良好に行くのではないかと思います。もちろん、一旦決めたら覆さない強さは必要です。子どもが泣いたから断乳を中断、なんて中途半端は反って子どもを混乱させるだけです。やると決めたら貫きましょう。その為にも、断乳をするに当たってきちんと計画を立てる、計画を立てるまでもいかなくても、その場その場で意見を変えるのではなく、後の事まで考えて一貫して物事を進めた方がいいと思います。

例えもっと母乳を与えたかったとしても、断乳したことをいつまででも引き摺るのもやめましょう。確かにおっぱいの時間は親子の絆を深める時間でもありますし、実際なくなると寂しくなります。しかし、それ以外にもいくらでも親子の絆を深めることは出来ます。抱きしめるだけでも子どもには十分なんです。それは、例えば母乳を与えてあげられなくたって同じです。ミルクだっていいんです。同じ様に腕の中で抱きしめながらあげているのですから。

そして、子どもが成長すれば、このような触れ合いはもう出来なくなります。断乳の方法はともかく、おっぱいそのものは親子の愛情を深める一つの方法なので、この親子の時間は大切にしたいものですね。