子どもがある程度成長すると、子育てに関する悩みも変わってきます。小さい頃は体の成長具合に関わる内容の悩みが多かったのに対して、大きくなってくると子どもの友達との関わり方やいじめに関する悩みが増えて来るのではないでしょうか。幼児期と学童期ではいじめの質が違うので対応は変わってきますが、ある程度の年齢になった場合のいじめについて考えたいと思います。

その前に、勘違いしてはいけない事は、いじめとケンカは違うということです。どうしても親としては子どもがケガをして帰ってきた場合、原因に友達やクラスメイトが関係しているとついいじめだと大騒ぎをしてしまいがちですが、いじめは一方的に行われるものです。ケンカはお互いにやりあい、ケンカが終われば(時間が掛かる事もありますが)また仲は戻ります。ケガもお互い様です。よほどの事が無い限り、子どもの世界に口を挟むのは止めましょう。

これがケンカではなく、一方的な(言葉も含めて)暴力の場合は、いじめになります。こうなると話は変わります。親の対応が必要になってきます。もちろん、いじめの程度がまだ軽く自分で解決する力があるのならば、それを見守るのも有りだと思います。しかし、大抵の場合はその解決する力が及ばないもので、やはり親が子どもを守ってあげる必要が出てくるでしょう。

自分の子どもがいじめられていたら、まずはいじめはする方が悪い、と子どもの味方になってあげましょう。いじめられる方も悪いなどとは言わない様にしましょう。親にそんな事を言われたら子どもは見放された気分になり、孤立します。親としては、もっと強く立ち向かって欲しい気持ちはあるかもしれません。しかし、いじめに耐えている事自体、すでに立ち向かっているのです。

それでも強くなって欲しいと思うのならば、いじめられる方は全く悪くないという事はしっかりと伝えた上で励ますのはありでしょう。確かに世の中に出れば、理不尽な世界があるのも事実で、我慢を強いられる場面は多々出てくると考えられます。そういう意味では多少なりとも強くなって欲しいと思う気持ちもわかります。例えば1日でも学校に行ったなど頑張った様子が少しでもあれば、それでいいじゃないですか。
いつまででも励ますだけではなく、最後は親が守ってくれるという安心感を与え、子どもがもうダメだという時は守ってあげましょう。学校に訴えるのもよし、学校があてにならないのならば転校するのも検討しましょう。逃げるのではなく、理不尽ないじめから子どもを守るのです。

逆に我が子がいじめをしていたのなら、どんな理由であれ、子どもにいい分があったとしても、まずはいじめをしていた事実を謝りましょう。子ども本人としては納得いかない事かもしれませんが、こちらがムキになれば相手もかえってムキになります。いい結果を生みません。もし、いじめのそもそもの原因が相手にあったとしたら、その上でこちらの言い分を訴えましょう。

明確な理由が無い場合、いじめをする子はなんらかの心の問題を抱えている事が多分にあります。それは表面的には、まったくわからないほど大人には些細な事かもしれません。しかし、本人にはとても重大な事だったり、実は自覚がない事かもしれません。
大概にして家庭に原因がある場合が多いように思います。例えば、躾が厳し過ぎて辛い、親が無意識のうちに兄弟ばかり可愛がっている等。

親としてはそんな事はないと否定したくなるでしょうが、一度冷静に考えてみましょう。意地になって自分を正当化すると、子どものいじめはまた繰り返すことになりかねません。