子どもは離乳食から始まり、少しずつ食べものを広げて味を覚えて行きます。味も離乳食の段階では大人では不味いと思うぐらい薄く、段々と濃くしていくのが通常でしょう。赤ちゃんの離乳食の段階ですでに好き嫌いは出来てきます。それは、早くに甘い味を覚えたり、早々に赤ちゃん向け以上の濃い味のお菓子を食べたりすることも原因の一つでしょう。

それでもなんとか離乳食から進んで、大人と同じような形でご飯を食べられるようになったとします。その中で、野菜が食べられなかったり等、食べるものが増えるごとに好き嫌いも増えて行くのは仕方がないでしょう。

子どもにはまだまだ未発達な器官があるのですが、味覚もまた未熟なのです。と言うのは、大抵の野菜で誰もが感じる苦みやエグミ、また酸味というのは、まだ子どもには上手く認識できず、毒(本当は毒ではないのですが)と同じように感じられるからです。腐った物も酸っぱかったり苦かったりしますよね。毒も実際には食べられないのでイメージが先行していますが、苦かったりするようです。それと同じように判断されるのです。本能から来るものなのです。小さい子供の生きる知恵と言えばいいのでしょうか。

ですので、野菜嫌いだとしても、無理に食べさせる必要はないのです。野菜嫌いでも苦みのない野菜は食べられたりする子がいるのはそういうことです。それでいいのです。じゃあ栄養は大丈夫なのか?という心配があるでしょう。食べられない野菜以外からだって必要な栄養は取れます。そこから栄養を上手く摂取すればいのです。もし、栄養が不足しているようだったら、本能的に体がその栄養を欲します。今まで食べなかったり、あまり手を出さないような食べ物に急に手を伸ばす様な時は、その栄養を体が欲している時です。

成長していくうちに、味覚も発達し、もちろん好き嫌いなくご飯を食べることも覚え、食べれる物が増えて行きます。今まで食べられなかったトマトがある日を境に急に食べるようになった、好きになったということも出てくるでしょう。ですので、あまり心配はいりません。

ただ、やはりじゃあ与えなくていいのか?というとそうでもなく、食べる切欠作りは必要です。また、味を知る上でもその場できちんと食べられなくとも、口から出してもいいので一度は口に入れるように声掛けをしてみましょう。というのは、野菜に限った事ではないですが、小さい頃に口にした食べ物は一旦は食べなくなっても頭のどこかに記憶として残り、大人になった時に、昔食べたな、と食べ物の記憶が蘇りまた食べるようになる、好きになる事になるからです。その時にまったく一口も食べた事のない食物だと、食べようという気は起きず、嫌いなままになります。

年を取ると、ご飯のおかずがやたらと煮物ばかりになる人がいます。それは、単純に脂っこいものがダメだという理由とまた別に小さい頃、よく煮物を食べてたという家庭環境も起因しているのです。そうやって考えるとほんの少しでもいいので、嫌いだと反応する食べ物、野菜を一口でも口に入れて味を記憶させておくといいでしょう。

また、好き嫌いの原因の一つに加工食品を早々に与えるのも、その理由と言われています。というのは、加工食品は味が濃かったり、それこそ子どもの好きな甘いものが多いのです。糖分の取り過ぎはそもそも栄養面でもよくないのですが、味覚の面からも糖分の取り過ぎはよくありません。スナック菓子はなるべく避けるべきでしょう。

子どもは単純に好き嫌いというわけではないので、無理矢理食べさせることは止めて、もし食べれたら大いに褒めてあげましょう。