子どもの成長は親としてはとても楽しみで嬉しいものでしょう。反面、ちょっとでも育児書の記載や回りと比べて遅れていると心配になったりもするでしょう。特に検診では、保健師さんに指摘されるとつい落ち込んだりするものです。いくつか指摘される中で、よく話題の一つに上がるのが言葉の遅れではないでしょうか。1歳半検診では、体重などの体の発達の他にも言葉の発達についても見られます。検診で言葉の発達の遅れを指摘されると、ついつい親は不安になるものです。

言葉の遅れも全てではないですが、個人差によるものが多いと考えられます。検診の時の様子でもわかるとは思いますが、言葉の発達というのは、口から発せられる言葉だけでなく、親の言う事を理解しているかどうか、回りとコミュニケーションが取れているかどうかも大切なチェックポイントです。

よくコップに溜められる水に例えられ事が多いのですが、まだ幼い子どもは、回りから届く言葉をいっぱい聞いて頭の中で蓄積します。それがある程度溜まって来るとコップの水があふれるように言葉がわーっと出てくるようになります。実際に経験者のほとんどから聞かれる話が、言葉の発達が遅いと言われていて確かに他の子どもよりも話しだしたのが遅かったが、しゃべりだしたら途端にたくさん言葉が出てくるようになった、今はうるさいほどお喋りになった、など。それだけ頭に蓄積できるなんて賢いと思いませんか?

もちろん、単純に遅れているのではなく、発達障害の場合も0%ではないので、自分の子どもの状況を把握するのは大切です。親が話している事が理解できているか、耳が聞こえていない様子はないか、など、子どもの様子はしっかりと見極める必要はあります。もし、声は出るけど言葉になっていない場合、親の言う事がわかっていて、明確な言葉でのコミュニケーションがとれていなくてもジェスチャーなどでコミュニケーションが取れていれば心配することはまずないでしょう。

心配ないからと言って、じゃあ親としてそのままでいいのかと言えば、それも違います。ご飯の支度など忙しい時間帯は兎も角、楽だからと何かとテレビなどの一方通行での話しかけに任せっきりにしないようにしましょう。テレビなどは言葉のキャッチボールが出来ません。これが親子や回りの人達とのやりとりならば、話しかければ返事がありますが、テレビだとそうはいきません。特に今は携帯に子守りをさせる親が増えています。携帯を使うというのは電磁波の子どもへの影響もさることながら、やはり言葉の発育にいい影響はないでしょう。それらは、会話が継続しないので言葉を発する必要がなくなってしまいます。

また、子どもの訴えを先読みする親も言葉の発達を遅らせる要因になります。子どもが言葉によって欲求を言う前に、親が子どもの欲求を先読みしてその欲求を満たしてしまうと、欲求を言葉にして現わす必要がなくなりなり、言葉を言う機会が減ります。忙しくてじれったい時もあるでしょうが、ゆっくりと子どもが欲求を口にするのを待ちましょう。兎に角、子どもが言葉を発しやすい環境を整えるといいでしょう。

まわりの経験談や、子どもの様子から大丈夫だと思えても、やはり心配になる人もいるでしょう。その場合は、専門家に相談するのもありだと思います。相談するだけで不安が解消されますし、子どもへの接し方のアドバイスも貰えます。上手くいけば同じ様に子育てで悩んでいる人達との交流ができる場を作る機会もできるかもしれません。

子どもは親の不安を敏感に読みとります。あまり不安な顔を見せるよりも、回りや専門家を上手に活用して楽しく子育てをしたいものです。