子育て中の悩みの1つに子どもが嘘をついて困るという話が時々出てきます。それは自分の子だけかと思ったら、実は余所でも同じ様なことがあった。そんな体験をした方もいるのではないでしょうか。よくないいい方かもしれませんが、子どもは嘘をつきます。

どうして?と思う親は多いでしょう。
年齢によって違いはあるものの、幼児期、小学校の頃、もしかしたら中学校ぐらいの年齢まで嘘はあります。ただ、よくよく子どもを観察すればそれなりに理由はあるのです。嘘をつくから子どもの将来を心配に思う親もいるかもしれませんが、大抵の場合は将来を悲観するほどではない嘘だったりします。もちろん、だからと言って放置していいものでもありません。

小さい頃は、かわいらしい嘘から、親としてはちょっとむっとするような嘘もあります。机の上に置いておいたおやつを「食べた?」と聞くと、明らかに食べた形跡があるのに(カスが口についていたりして)「食べていない。小人が食べてたよ。」と言ったり。下の子に対する嫉妬からいじめていたのに、いじめていないと言ったり。子どもは想像力が豊かです。空想話からくるような嘘だったり、ほっこりするような嘘だったらその嘘に乗ってあげるのもいいでしょう。でも、下の子を…なんて嘘はそのままにしておけませんよね。

小さい頃の嘘の理由には、構って欲しい、寂しいという心の現れや、ストレスからくる嘘(例えばしつけが年齢相当以上に厳しいなど)などが上げられます。子どもをよく見て、この子はいまどういう状況かを見てあげるチャンスだと思いましょう。いい親子関係になるチャンスだと思えば、立った腹もおさまるし、落ち込みも緩和されるのではないでしょうか。

また、ある程度大きくなって小学生でよく聞く話として、親の財布から勝手にお金を拝借して「僕は知らないよ。」というパターンがあります。問い詰めるというのはいけませんが、理由を聞きましょう。小遣いに問題があるような物理的な理由かもしれませんし、やはり寂しくて…という心の問題が見え隠れする事もあります。理由によって対応が異なってくると思います。

よくないのは頭ごなしに叱ることです。他の嘘でもそうですが、頭ごなしに叱るのは、段々と嘘が巧妙になっていく可能性があります。頑なになることもあり得ます。特にいじめに関わる様な嘘には要注意ですが、怒るのではなく、寄り添って話を聞いてあげましょう。例えば財布の話で、まだ初期の頃に軽い気持ちでやっているようならば、例えば「バレているよ」「もうこれで終わりにしなさい」等と財布の中にそれとなくメッセージを入れて、親はお見通しだとアピールするのも一つの手だと思います。

人間関係が関わってくるような嘘も出てくるでしょう。いじめに関わるような嘘は要注意です。しかし、これも頭ごなしに叱ると反って逆効果になりかねません。虐められている子の場合は、親に迷惑を掛けたくないという気持ちや、本人のプライドから内緒にする場合が多々あります。逆にいじめている方もまた然りで、これは親に迷惑をというのもですが、自分が悪者になるのを恐れる意味合いもあるでしょう。場合によっては親に対して一番何も言わないかもしれません。そうなると専門家や第三者の力を借りるのも一つの手です。

いじめ以外にも家庭に問題があったりすることもあるので、これもまた第三者に入ってもらう方がいい事もあります。親が思っている以上に子どもは繊細だったりします。どちらにしても、子どもは嘘をつくもの、うちの子は大丈夫と気にしないのではなく、よく子どもを観察して対応するといいでしょう。親子関係を見直す切欠になります。